PLAN

中期経営計画

2028年の創業150周年、
更にはその先に向けた持続的成長を目指す経営計画

芦森グループ中期経営計画 Road to 150

2026年3月期~2028年3月期(第126期~第128期)

前回の中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)の進捗

・会社全体としては、中期経営計画の数値目標を達成
・自動車安全部品事業は、豊田合成(株)との協業の成果や円安の好影響により、業績は大幅に伸長
・機能製品事業は、数値目標は未達であったが、ほぼ横ばいで推移

業績推移

中期経営計画 2025/3期実績 判定
売上高 600億円 726億円
営業利益 27億円 46億円
当期純利益 20億円 27億円
ROIC 6.3% 7.6%
自己資本比率 40%以上 45.9%
1株当たり配当 100円 100円

◯ - 達成または実現

豊田合成(株)との協業の成果

  • ◆ TPS(トヨタ生産方式)による生産性改善
  • ◆ 技術・人材交流による商品競争力の向上
  • ◆ サプライチェーンの統合・共有による原価低減

目指す姿と「Road to 150」の概要

当社は、1878年の創業以来、繊維を基にした様々な製品展開をしてまいりました。自動車のシートベルトやエアバッグ、老朽化した下水道管等の管路更生工法、消防ホースなど「命と暮らしを守る製品」の提供を続けております。

新型コロナウィルス禍において業績の落ち込みがあったものの、前回の中期経営計画は自動車安全部品事業における豊田合成(株)との協業の進展と円安効果により大きく業績を回復させることができました。2025年3月期の決算において過去最高の売上と営業利益を計上し、今後は積極的な投資ができるまでに財務体質が改善しました。

今回策定した中期経営計画では「2030年に向けた足場固めと攻めの投資」を行ってまいります。2030年度の連結売上高900億円、連結営業利益60億円に向けて、向こう3年間で総額210億円の設備投資と研究開発投資を計画しております。

当社の特徴と強みは、繊維で培ったコア技術を活かして社会課題を解決するユニークな技術開発力と製品群です。自動車の安全安心、上下水道管等の老朽化対策、防火防災、物流の効率化等の諸課題に積極的に取り組み、企業としての成長を目指します。

当面は投資が先行する計画ですが、株主の皆様には従来以上の配当を安定的に行い、投資と株主還元のバランスの取れた経営を行ってまいります。

財津 裕真 取締役社長
財津 裕真 ざいつ ひろまさ

中央の社章は社是を意味します。
社是を経営理念として最上位に堅持し、
MVVと一体で、あるべき姿を目指す会社の
「道標」とします。
  • Mission

    “私たちの使命は、命と暮らしを守る製品を提供することです”

  • Vision

    “私たちは、繊維で培ったコア技術を活かして社会課題を解決する企業であり続けます※”
    ※このたび、【ビジョン】を更新いたしました。

  • Values

    “私たちは、誠実に、ルールを守り、品質最優先のものづくりに取り組みます”

つなぐ技術、つなげる未来

芦森工業が2030年に目指す姿

・「命と暮らしを守る」会社ミッションにこだわり、社会課題の解決と企業としての成長を両立
・繊維で培ったコア技術を活用し、四つの事業領域を通して社会課題の解決に取り組む

中期経営計画「Road to 150」 の骨子

・2030年に向けて人的資本、研究開発、設備への投資を積極的に実施
・更なる成長のために、次の3年間は基盤整備を推進する期間と位置付ける

業績の目標

業績の目標

主要な目標

2028/3期目標 2031/3期目標
ROIC 5.0%以上 8.0%以上
配当 中間配当を含め100円/株以上かつDOE2.5%以上 中間配当を含め100円/株以上かつDOE2.5%以上
研究開発費 中期3か年で50億円
対売上高2.5%
設備投資 中期3か年で160億円

ROIC(投下資本利益率)= 最終利益 ÷(有利子負債+自己資本)
DOE(株主資本配当率)= 年間配当総額 ÷ 株主資本

事業戦略

  • エアバッグ、次世代シートベルトと内装品のラインナップ拡充で、更なるグローバル拡販を実現する
  • 豊田合成(株)との協業シナジーを最大化することで、衝突安全システムメーカーのポジションを強化する
  • 事業にかける思い

    グローバル市場で、特徴ある製品で他社にない価値を提供し、存在感のあるビジネスパートナーを目指す

  • 競争環境の分析
    • 法規/アセスメント動向、BEVの進展に伴い、技術競争が激化
    • コストダウンの標準化ニーズと商品力アップのための差別化ニーズに対しての迅速な対応が必要
  • 成長のための戦略
    • 顧客ニーズに対応した強い商品により、グローバル市場での拡販を実現する
    • 生産性の更なる向上と事業効率化を追求し、バリューチェーンを進化させる

重点施策

  1. 1.商品戦略
    • 次世代シートベルトの市場投入による拡販
    • 電動化対応の高付加価値シェードの市場投入
    • 顧客ニーズに対応したドア/ルーフシェード、トノカバーの商品ラインナップ拡充
    • 豊田合成(株)との協業による両社の強みを活かしたエアバッグの更なる拡販とシートベルトセット拡販
  2. 2. 品質/生産戦略
    • ビジネスパートナー含めた品質アップ活動の拡充
    • TPS(トヨタ生産方式)の全拠点展開
  3. 3. 拠点運営基盤の安定化で各市場の拡販体制強化
  4. 4. 人材戦略
    • 階層教育の充実で次世代幹部職とコア人材を育成

次期3年間の目標

  • 老朽化が進む上下水道分野の管更生において、積極投資(下水道分野)と国のプロジェクトへの参加(上水道分野)を推進
  • 防災、産業資材の分野においても新製品開発を進め、シェアアップを図る
  • 事業にかける思い

    インフラ老朽化、災害・減災、環境保全、物流2024年問題などの社会問題に対応する製品・サービスの開発・販売

  • 競争環境の分析
    • パルテム下水道は競争激化。上水道は市場参入の壁
    • 防災新規参入は少なく限られた会社間の競争
    • 産業資材製品種類が多く差別化や独自性が必要
  • 成長のための戦略
    • パルテム管更生の需要拡大に対応できる体制構築
    • 防災成長分野である防災市場の製品拡充
    • 産業資材広巾製品に次ぐ新たな事業の柱の確立

重点施策

  1. パルテムHL工法 パルテム
    下水道:
    新工法開発と新工場建設※によるシェアアップ
    上水道:
    管更生の拡大に向けた国土交通省の調査プロジェクトへの積極参加(→ガイドライン策定に繋げる)
    ※栃木県下野市、3万㎡、2027年春操業開始予定
  2. 緊急排水ホース「パルジェット」 防災
    1. 高機能消防・排水ホースの販売拡充
    2. 大規模事業所向け大容量送水ビジネスの提案力強化
    3. 防災新資機材の開発
  3. タイミングベルト用歯付補強布 産業資材
    1. 広巾の高付加価値製品や物流省力化製品の拡販
    2. 地盤改良製品の国内外での販売強化
    3. 金属代替繊維製品の開発
  4. 人材戦略
    • 人材の確保、顧客志向や現場力の向上、技術の承継

次期3年間の目標

更なる成長のための基盤整備

・減価償却費相当額の「守りの投資」から脱却し、未来の収益基盤を整備する「攻めの投資」へ転換 。有利子負債が増加するが、以前に比べて充実した自己資本を背景に、財務健全性は維持
・DOE基準による配当で、株主還元を安定化

財務戦略 3年間のキャッシュ・アロケーション

財務戦略 3年間のキャッシュ・アロケーション

投資戦略

研究開発費
骨太方針
新規分野の開拓 ① 軽量繊維コンポジット材の商品開発 ② ファイバーセンシング技術開発 ③ 金属から繊維への代替製品開発
機能製品事業支援 ① 製織技術(スピード・大口径化他)の向上 ② パルテム製造における自動化・省力化
設備投資

成長投資枠として、80億円
パルテム新工場、自動車安全部品事業の新製品製造設備等への投資、防災・産業資材事業の主力製品への集中投資により、当社グループの更なる成長基盤を整備。

設備更新枠として、80億円
大阪工場、篠山工場の既存設備を生産性向上・環境・省力化に留意した設備への更新を進め、安全・品質を優先した高品質・高付加価値製品の製造を実現する。

「織る/組む」「巻取る/固定する」「樹脂加工」 「膨らませる」のコア技術を活かした製品開発を進める

製品開発戦略

自動車安全部品
:豊田合成(株)と連携したエアバッグ開発、次世代シートベルト開発、高級車向け内装品開発
パルテム
:施工の効率化を図る新工法の開発
防災
:消防用ホースの新製品開発、生産ラインの自動化/省人化、次世代環状織機の開発
産業資材
:地盤改良製品の用途拡大

先行開発、要素技術開発戦略

1.軽量繊維コンポジット材の商品開発
2.ファイバーセンシング技術開発
3.金属から繊維への置換製品開発

研究開発費の増大

37(2022〜2024年度)億円から約50(2025〜2027年度)億円へ

人は最も重要な経営資本であり、人材の育成と確保に注力。
「人材がいきいきと活躍し、チームワークを発揮できる会社風土」を築くため、アシモリ ルネサンス プログラムを実行します。

芦森グループ人材Vision

高い専門性と幅広い視野、論理的展開力を有し、スピード感を持って問題解決ができる人材

人材育成方針

1.会社は、成果を上げた人、努力を惜しまない人を公正に評価します
2.会社は、社員教育を充実させ、 社員の成長を後押しします
3.会社は、社員が働きやすい職場環境と風通しが良い風土の構築に努めます

アシモリ ルネサンス プログラム:基本コンセプト

「人」は最も重要な経営資本です。
「人材がいきいきと活躍し、チームワークを発揮できる会社風土」を目指します。

キーワードは次の3点です。
1. 公正な評価
2. 働きやすい環境
3. 教育の充実


「上司とメンバーのコミュニケーション強化」に重点を置きます。

アシモリ ルネサンス プログラム:基本コンセプト

マテリアリティ(持続的な成長のための重要課題)を踏まえたESG戦略の展開

ESG戦略

事業別の売上・営業利益目標、ESGに関する全社KPI

※ KPI=Key Performance Indicatorの略。「重要業績評価指標」などと訳されます。

2026年3月期 2027年3月期 2028年3月期 2031年3月期
自動車安全部品事業 売上高 46,000 47,000 48,000
営業利益 2,200 2,300 2,500
機能製品事業 売上高 20,000 21,000 22,000
営業利益 1,600 2,000 2,300
その他収入、本社経費ほか 営業利益 ▲800 ▲800 ▲800
合計 売上高 66,000 68,000 70,000 90,000
営業利益 3,000 3,500 4,000 6,000

(単位: 百万円)

項目 現状 KPI 達成次期
温室効果ガスの排出量(国内連結) 2013年度比2%減 2013年度比46%減 2030年度
女性管理職比率 10.5% 15% 2030年度
男性の育児休業取得率(国内連結) 62.4% 90% 2030年度
取締役の女性比率 0% 10% 2030年度

詳しくは下記をご覧ください。
芦森グループ中期経営計画「Road to 150」資料